フリーランス・クラシック音楽家の経費と確定申告はどのようにしているのか?
最近、またよくクラシック音楽のyoutubeを見ているのだがあること気がついた。
数年前より個人の動画がとても多いのだ。それに拍車をかけるようにオーケストラの動画も
映像がとてもシネマティックというかストーリーが綿密計算されて構成されている動画が
目に付くようになった。やはり時代が変わって来たのだろう。
フリーランスという目で見ると音楽家の活動方法というのは以前と違いここ数年でだいぶ変化
しているんだろうと感じます。
特に最近では、YouTubeを活動の中心に据える音楽家の方が増えており、従来とは全く違った収益構造と経費項目が生まれているようだ。
なぜ今、音楽家に税務知識が必要なのか?
現代のクラシック音楽界は大きく様変わりしているようだ。以前は演奏料やレッスン料といった比較的シンプルな収入源が中心でしたが、今では多様化が進んでいる。YouTubeの広告収入、企業とのタイアップ、オンラインレッスン、グッズ販売、サブスクリプション収入…数え上げればきりがないだろう。そして、これらの新しい収入源にはそれぞれ異なる税務処理が必要ともいえるはず。つまり、税務知識を持たない音楽家は、本来控除できるはずの経費を見逃し、余計な税金を支払っているかもしれないということ。これって、とてももったいないですね。
まずは基本中の基本から。クラシック音楽家の多くは個人事業主として活動されていると思うのだが、そうなると、毎年2月16日から3月15日までの期間に確定申告を行う必要がある。
確定申告では、1年間のすべての収入から必要経費を差し引いた「所得」に対して税金がかかってくる。ここでポイントなのが「必要経費」の部分。この経費をどれだけ適切に計上できるかで、支払う税金に大きな差が生まれることだろう。どの業界も一緒だ。
収入に含まれるものは、演奏料、レッスン料、CD・楽譜の販売収入、そして最近増えているYouTubeからの収入なども含まれます。一方、経費として計上できるものは想像以上に幅広いことがわかった。
クラシック音楽家特有の経費項目を徹底解説
クラシック音楽家の皆さんが経費として計上できるものを、詳しく見ていきたいと思う。
楽器関連費用
まず代表的なのが楽器の購入費や修理・メンテナンス費です。特に高額な楽器については、一度に全額経費にするのではなく、「減価償却」として数年間にわたって経費計上することになるだろう。
例えば、100万円のピアノを購入した場合、法定耐用年数(ピアノの場合は10年)に応じて、毎年10万円ずつ経費として計上していくイメージですね。
楽譜・教材費
演奏に使用する楽譜代は、もちろん経費です。また、技術向上のための教材費、音楽理論の書籍代なども含まれます。「勉強のため」と思って購入したものも、事業に関連していれば経費になることだろう。
練習・演奏場所の費用
練習スタジオの賃貸料、演奏会場のレンタル費用は当然経費です。そして、意外に見落としがちなのが「家事按分」。自宅の一部を練習室として使用している場合、使用面積に応じて家賃や光熱費の一部も経費として認められるますね。
例えば、3LDKのマンションで1部屋を専用の練習室にしている場合、全体の3分の1程度を按分して経費計上できる可能性があるはす。
交通費・宿泊費
演奏会場までの交通費、遠征時の宿泊費も経費です。海外の音楽祭に参加する場合の渡航費も、演奏技術向上や人脈構築が事業に直結するものであれば、研修費として計上できます。
演奏用衣装・小物
演奏会で着用する衣装代、靴代、アクセサリー代なども経費です。ただし、普段着としても使用できるものは按分が必要な場合もあります。
YouTube活動中心の音楽家に朗報!新時代の経費項目
ここからは、現代のデジタル時代を象徴する内容だ。YouTube活動を中心とする音楽家の皆さんには、従来にはなかった様々な経費項目が認められている。
YouTube収入の種類と特徴
まず、YouTubeからの収入にはいくつかの種類があります。広告収入(AdSense)、Super Chat、メンバーシップ収入、企業からのスポンサー収入などなど。
これらはすべて事業所得として申告する必要があり、YouTube Studioから取得できる収益レポートをもとに、月次で正確に記録することが大切だ。
動画制作に関する経費
YouTubeの動画制作に関する様々な経費が発生するようだ。
撮影・録音機材:カメラ、マイク、照明器具、三脚などの購入費 編集関連:動画編集ソフトの購入費、BGM使用料、効果音ライブラリの購入費 制作環境:撮影用の背景セット、防音材、反射板などの費用 外部依頼:プロによる編集代行費、サムネイル作成費用、翻訳費用などなど。この辺が個人でyoutubeに参入してくるメリット
なのかもしれない。これは何のジャンルでも同じようなことが言えると思う。
機材に関しては高額になりがちだが、青色申告であれば30万円未満のものは一括償却の特例を使えます。つまり、その年に全額経費にできるということ。
通信費・光熱費の按分
YouTube活動は24時間稼働する性質があります。動画のアップロード、コメント返信、データ分析など、常にインターネット接続が必要です。
そのため、インターネット回線費用の大部分を事業用として按分することが可能です。また、撮影・編集により電気使用量が増加する分についても、適切に按分すれば経費計上できるはず。
また新しい楽曲の習得、他の演奏家の動画研究、音楽理論の学習なども、コンテンツの質向上のための必要経費です。オンラインでの楽譜購入、音楽配信サービスの利用料、演奏技術向上のためのオンラインレッスン受講料なども、事業との関連性を明確にできれば経費として認められます。
青色申告で得られる驚きのメリット
ここで、多くの音楽家の皆さんにぜひ活用していただきたいのが「青色申告」です。
青色申告特別控除
最大65万円の特別控除が受けられます。これは所得から直接差し引かれるので、税率が20%の人であれば約13万円の節税効果があるということです。
赤字の繰越
事業で赤字が出た年があっても、その赤字を3年間繰り越すことができます。翌年に黒字になった時に、前年の赤字と相殺できますね。
家族への給与支払い
配偶者や家族に事業を手伝ってもらっている場合、「青色事業専従者給与」として給与を支払い、それを経費にすることができます。
減価償却の特例
30万円未満の固定資産を一括で経費にする特例や、中小企業者等の少額減価償却資産の特例など、様々な優遇措置があります。
効果的な節税対策をもっと詳しく
青色申告以外にも、音楽家の皆さんが活用できる節税対策があります。
小規模企業共済の活用
小規模企業共済に加入すると、掛金(年額最大84万円)を全額所得控除できます。これは将来の退職金準備も兼ねることができる、一石二鳥の制度です。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
音楽家は国民年金の第1号被保険者になることが多いので、iDeCoの掛金上限額は月額68,000円(年額81.6万円)と高額です。これも全額所得控除の対象になります。
法人化の検討
年間所得が一定額を超える場合、個人事業から法人へ移行することで節税効果が期待できる場合があります。ただし、法人化には社会保険料の負担増などのデメリットもあるため、慎重な検討が必要です。
実際の成功事例に学ぼう
ここで、実際にこれらの税務知識を活用している音楽家の事例を紹介しよう。
事例1:ピアノ講師兼YouTuber
チャンネル登録者数10万人のピアニストAさんは、月間広告収入30万円、企業タイアップ収入20万円を得ています。一方で、機材費、楽譜代、スタジオレンタル費用などで月15万円程度の経費を計上し、青色申告特別控除と合わせて大幅な節税を実現しています。
さらに、海外の音楽祭取材や演奏技術向上のための研修参加費用も事業拡大のための必要経費として適切に計上し、年間の節税効果は100万円以上に達しています。
事例2:室内楽奏者のオンライン展開
弦楽四重奏団のメンバーBさんは、コロナ禍をきっかけにオンライン活動を本格化。配信機材への投資、楽譜のデジタル化費用、メンバーとのオンライン練習のための通信環境整備費用などを経費計上し、従来の演奏活動だけでは計上できなかった新しい経費項目を有効活用しています。
税務管理の実践的なコツ
実際の税務管理のコツもお伝えします。
収入と支出は月次で整理する習慣をつけましょう。スマートフォンのアプリやクラウド会計ソフトを活用すれば、外出先でもレシートを撮影して記録できます。
経費のレシートは「楽器関連」「機材関連」「交通費」「研修費」などのカテゴリーに分けて整理しましょう。デジタル化して保存すれば、紛失のリスクも減らせます。
特にYouTube活動では、趣味ではなく事業として認められることが重要です。定期的な投稿、収益化への取り組み、事業計画の策定などにより、事業性を明確に示すことが大事です。
専門家との連携も重要
音楽家特有の税務は複雑な面もあります。判断に迷う場合は、音楽業界に詳しい税理士に相談することをお勧めします。
年間顧問料を考慮しても、適切な税務処理による節税効果の方が大きくなるケースは少なくありません。また、税務調査への対応や、将来の事業拡大に向けたアドバイスも得られるはずです。
まとめ
クラシック音楽家の皆さんにとって、税務知識は決して避けて通れない重要なスキルであることがお分かりいただけたと思います。
特に現代では、YouTubeをはじめとするデジタルプラットフォームの活用により、従来にはなかった多様な経費項目が認められています。これらを適切に活用することで、大幅な節税効果を得ることができるようだ。
税務の知識は改めて必要だということがまたわかった気がする。
本日の一曲はモーツアルトのピアノ協奏曲です。
21番が好きです。





