週20時間の壁とは?2025年社会保険制度変更でフリーランスが知るべきこと
先日ちょっと気になるニュースが出ていた。最近、社会保険制度で大きな変化が起きているのをご存知だろうか。これまで「年収130万円の壁」なんて言葉をよく耳にしたものだが、実は今、その常識が大きく変わろうとしている。
変わりゆく社会保険の基準
従来は年収を基準に社会保険の加入義務が決まっていた。これは多くの人にとって馴染み深いルールだったと思う。しかし、新しい制度設計では「週労働時間」が重要な判断基準となっているのだ。
この変化、単なる数字の変更以上の意味を持っていると思う。働き方そのものの価値観が問われているような気がしてならない。働かないほうが得なのか。
週労働時間20時間の新たな「壁」
厚生労働省の新たな方針により、週20時間未満の労働であれば、時給の高さに関係なく社会保険への加入義務が生じないという仕組みになった。これが実際にどういう状況を生み出しているかというと、なかなか興味深い現象が起きている。
社会保険加入を避けられるケース
例えば、こんな働き方が可能になっている:
- 時給1,300円 × 週19.5時間 = 月収約10.9万円(年収約131万円)
- 年収130万円を超えても、週労働時間が20時間未満なら社保加入義務なし
これを知ったとき、正直驚いた。年収が130万円を超えていても、働く時間をコントロールすることで社会保険料の負担を避けられるのだ。
社会保険加入が必要になるケース
一方で、こんなケースでは加入が必要になる:
- 時給1,000円 × 週20時間 = 月収8.6万円(年収約103万円)
- 年収が低くても、週20時間以上なら社保加入対象
つまり、年収が低くても長時間働けば社会保険に加入しなければならず、年収が高くても短時間であれば加入義務がない。これまでの常識とは随分違う世界になったものだ。
この制度変更が意味すること
この変更により、労働者は「年収を抑える」のではなく「労働時間を調整する」ことで社会保険料の負担を回避できるようになるだろう。表面的には選択肢が増えたように見えるが、果たしてこれが本当に労働者にとって「得」なのだろうか。
考えてみると、これは少し奇妙な話だ。本来であれば、より多く働いて、より多く稼いで、より豊かになるのが理想的なはずだ。しかし現実には「働きすぎると手取りが減る」という状況が生まれている。何だか本末転倒な気がしてしまう。
フリーランスが直面する新たな選択
特にフリーランスにとって、この制度変更は複数の観点から検討すべき重要な問題だと思う。
1. 収入効率の最適化
限られた時間でより高い時給を目指すか、安定的な労働時間を確保するかの選択に迫られることになる。時給を上げるスキルアップに投資するか、安定した案件を確保することに力を入れるか。これまで以上に戦略的な判断が必要になってくるだろう。
2. 将来の保障との兼ね合い
社会保険に加入しないことで得られる手取りの増加は魅力的だ。しかし、将来の年金や医療保障が減少するリスクも考えなければならない。目先の収入を取るか、将来の安心を取るか。これは本当に難しい選択だと思う。
3. 働き方の戦略的選択
複数の案件を組み合わせる際の労働時間管理の重要性も増している。どの案件にどれくらいの時間を配分するか、そのバランスが社会保険料の負担に直結するからだ。
構造的な問題の表れ
実は、この制度変更は現代の労働環境が抱えるより大きな構造的問題を浮き彫りにしているように思う。「働く時間を制限しないと社会保険料で手取りが減る」という状況は、本来であれば労働によって生活が豊かになるはずの仕組みが、逆に労働を制限する方向に働いているという皮肉な現実を示している。
この背景には、いくつかの要因があると考えられる。
社会保険料負担の重さ
健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料などを合計すると、給与の約15%程度が控除される。手取り収入への影響が大きいのも頷ける。
生活コストの上昇
物価上昇に対して実質賃金の伸びが追いついていない状況で、社会保険料の負担がさらに家計を圧迫している。
従来の雇用モデルの限界
終身雇用を前提とした社会保険制度が、多様化する働き方にそぐわなくなってきているのだ。
「働かない収入」の重要性
こうした状況を見ていると、ベーシックインカムのような「働かなくても基本的な収入を得られる仕組み」や、労働と切り離された社会保障制度への関心が高まるのも自然な流れかもしれない。
特に注目すべきは、ストック収入の価値だろう。時間を直接労働に充てなくても収入が発生する仕組みは、今回のような制度の歪みがある中では特に重要になってくる。
ストック収入の魅力をあげてみよう
- 時間を直接労働に充てなくても収入が発生する
- 社会保険の「週20時間」制限に縛られない
- 収入の安定性と予測可能性が高い
具体的なストック収入の例として
- 不動産投資による家賃収入
- 株式配当や債券利息
- 著作権料やライセンス収入
- オンライン教材や電子書籍の販売収入
- サブスクリプション型のサービス収入
フリーランスの方々も、単発の案件をこなすだけでなく、継続的に収益を生む仕組み作りをする重要性が高まっているのではないだろうか。
今からできる準備
ストック収入があれば、社会保険の加入・非加入についても、純粋に将来の保障面から判断できるようになる。働き方の選択肢も大幅に広がるはずだ。
「時間を売る」労働から「価値を創造し続ける」働き方への転換。これが、これからの時代には特に重要になってくると感じている。
最初は小さな収入でも、継続していけば複利効果や経験値の蓄積で徐々に大きくなっていくものだ。特に今は、デジタル技術の発達で個人でもストック収入を作りやすい環境が整っている。
多くの人がまだ「時間を切り売りする働き方」に依存している中で、早めにストック収入の構築に着手することは大きなアドバンテージになるだろう。
まとめ:働き方の未来を考える
今回の社会保険制度の変更は、働き方の多様化に対応した一面もある。しかし、労働者一人ひとりが自身のライフプランを踏まえて慎重に判断することが求められる変化でもある。
制度の変化を嘆くより、自分にできることを始める。そんな前向きな姿勢が、これからの時代にはますます重要になってくるのかもしれない。
今後は、労働の価値を適切に評価しつつ、多様な働き方を支援できる制度設計が重要になってくるはずだ。そして変化に対応できる柔軟性と準備を持っておきたいものだ。
働き方の未来を考える時間も、案外大切なのかもしれない。





