敬意を払う
中学に上がった頃、最初に聞いたクラシックのレコードがリッカルド・ムーティ指揮の展覧会の絵だったのを今でも覚えている。多分、親が買ってくれたんだと思うが何故だかはあまり覚えてない。
小学3,4年ごろから中学1年くらいまでピアノを習っていた。特に自分から積極的に行くというよりは仕方なくといった感じで毎週日曜の午前中に家から少し離れたピアノの先生の家に行くのがとにかく億劫で仕方なかった。日曜午前といえばその頃アイドルのテレビ番組が全盛の頃だ。そっちを見たくてしょうがなかったのだ。
勿論、練習はたいしてしないし、度々先生の機嫌を損ねたりで段々と行くのも面倒になっていたと思う。
クラシック音楽との付き合いはその頃からなのだが、学生生活が終わり社会人になってからほとんどクラシック音楽とは無縁であった。30代後半になった頃だろうか。何かのきっかけでまたクラシック音楽を聴くようになった。
クラシック音楽のいいところは同じ曲を色んな演奏家、指揮者で聞くことが出来るところにあると思う。自分の場合は大体、気に入った曲を様々なオーケストラ、指揮者で聞いたりする。一時はチャイコフスキーの4番5番6番のCDで溢れていたことがある。ある時はラフマニノフのピアノコンチェルト、ある時はシューマンの交響曲など、一つの曲を徹底的に聞きまくっていた時期が何年かあった。
それもこれもyoutubeのおかげでもある。今は検索するまでもなく、おすすめでいくらでも出てくるし昔見ることは出来なかった映像までもがTVは勿論、携帯でも見れる時代である。本当にいい時代になったものだ。
最近、マレイ・ペライアとコリンデイビスのシューマンのピアノコンチェルトの映像があって驚いた。
1987年のである。以前CDで買ってよく聴いていた。
今年の初めごろ、以前からの知り合いの方に勧められたものがある。
その方は一冊にまとめられた新聞の切り抜きを持ってきていた。
なんでもリッカルドムーティの特集の記事だった。
日経新聞で【私の履歴書】というコーナーがある。そこに掲載されてたもので、30回に渡ってムーティの今までの軌跡が書かれていた。
ちょうどその頃、指揮者について色んな本を読んでいてまさにいいタイミングでムーティに出会えたと思った。内容が素晴らしかった。
私の履歴書は毎回毎回、テーマがありそれについての話しなので本当に飽きずに一気に読んでしまった。大事なところはノートに書いておいた。
ムーティの私の履歴書の第一回目は”憧れの国”という題で日本のことが書かれていた。
お辞儀をして挨拶するというのは敬意の表れであり西洋では失われた慣習だと書いている。日本人にはこの他人を敬う気持ちを失わずにいてほしいとも書かれていた。
確かに周りに最近は外国人がいるが、お辞儀をして挨拶する人など見た事がない。
指揮者は演奏が始まる前に観客に向かって必ず最初にお辞儀をする。
まずは立ち止まって敬意を払う。
少し忘れかけてたことなんだと改めて思った。
伝統を重んじることは重要であると最後に書いてるのを読んで、何かふと忘れてしまったものを呼びもどされたような気になり、改めてムーティの偉大さに感動を覚えたのである。
他にも見所のある記事は沢山あるのでまた思いついたら書いてみたいと思う。
リッカルド・ムーティ(指揮者) 私の履歴書 – 日本経済新聞





