日本のおもてなし文化とは|外国人観光客に評価されるサービスの特徴
最近、街を歩いていると本当に外国人観光客の方々をよく見かけるようになりました。コンビニでも、レストランでも、どこに行っても英語や中国語、韓国語が飛び交っています。なんなら今までにあまり見かけなかった
国の方々も多数、日本を訪れるようになってると思います。
このインバウンドブームの中で、改めて考えさせられるのが「日本のおもてなしって、本当はどういうものなんだろう?」ということです。インバウンド向けにビジネスをされているいる方にとっては非常に重要なテーマではないかと思います。
「お客様は神様です」と「カスタマー・ファースト」は全く違う
最近見たネットに記事でこのことを取り上げてる方がいて、なるほどと思ったのが、「お客様は神様です」と「カスタマーファースト」は違うということです。誰しも一度は聞いたことがありますよね。両方には明確な違いがあるということです。
実は、この”お客様は神様”ですという考え方には大きな落とし穴があります。神様として扱うということは、時として一方的な奉仕や、理不尽な要求への屈服を意味することがあるからです。「お客様だから何をしても許される」という勘違いを生み出してしまうこともありますよね。
一方で、最近よく耳にする「カスタマー・ファースト」は全く違います。これは、お客様の本当のニーズを理解し、お互いに尊重し合える関係の中で価値を提供することなんです。
つまり、一方的に「お客様が上」という上下関係ではなく、「一緒により良い体験を作り上げていく」パートナーシップなんですね。普段サービス業をしてる方からみるとどうしても上下関係のようにとらえてしまいがちです。自分も思い当たるふしがあります。
日本の「おもてなし」は消えてしまったのか?
「最近の日本って、昔みたいなおもてなしの心がなくなったよね」という声を聞くことがあります。確かに、人手不足や効率化の波で、以前のようなきめ細かいサービスを提供するのが難しくなっているお店も多いでしょう。
でも、私は「おもてなしの心は消えていない」と思うんです。ただ、その表現の仕方が変わっているだけなんじゃないかと。昔のような画一的で形式的なサービスから、より個別化され、本質的な価値提供へとシフトしている。これこそが、現代版のおもてなしなのかもしれません。
例えば、最近のカフェチェーン店では、バリスタが一人ひとりの好みを覚えていて声をかけてくれるのも現代的なおもてなしの象徴ではないかと思います。
価格によって変わるお客さんの行動と期待値
ここで興味深いのが、お店の価格帯によってお客さんの行動や期待値が大きく変わるということです。
高級レストランに行けば、特別な接客やサービスを期待しますよね。ワインの説明を丁寧にしてもらったり、料理の食べ方を教えてもらったり。そこには「この値段なら、これくらいのサービスがあって当然」という期待があります。
一方で、格安の定食屋さんに行けば、シンプルで効率的なサービスで十分満足できる。「安くて美味しければそれでOK」という気持ちになりますよね。
これは決して悪いことではありません。むしろ、価格帯に応じた適切なサービスレベルがある、ということなんです。
安い店はリスクを背負わなければならないのか?
「安かろう悪かろう」という言葉があるように、「安い店は変なお客さんが来るリスクを覚悟しなければならない」という声もよく聞きます。
確かに、価格を下げれば利益率は下がりますし、中にはサービスの価値を理解してくれないお客さんが来ることもあるでしょう。でも、これは本当に仕方のないことなんでしょうか?
安い価格帯のお店は離職率も高いなどということも言われています。
安くても良いお客さんが集まる店の秘密
実は、安価な価格設定でも、素晴らしいお客さんが集まるお店がたくさんあります。自分の知っているラーメン屋さんも、一杯600円という破格の安さなのに、みんな「ありがとうございました」と丁寧にお礼を言って帰っていくんです。今どき1,000円以内でラーメンを食べれるお店は珍しくなりつつあります。
こういったお店に共通しているのは何でしょうか?
答えは、「価格の安さではなく、提供する価値の明確さ」です。そして、その価値を理解し、評価してくれるお客さんとのマッチングができているということなんです。
つまり、価格競争ではなく、価値提案の競争で勝利を収めているんですね。
「安くて美味しいラーメンを、気取らない雰囲気で提供する」という明確な価値提案があり、それを求めるお客さんがちゃんと来てくれる。だから、お互いに気持ちよく過ごせるんです。
海外から見た日本のおもてなし
インバウンドが増えている今、海外の方々は日本のサービスをどう感じているのでしょうか?
多くの外国人観光客が驚くのは、コンビニでも、ファストフード店でも、どこでも丁寧な接客を受けられることです。「おしぼり」や「お水」が無料で出てくることにも感動してくれます。
ある外国人の方は「すべてが素晴らしい。日本人のサービス精神は他の国にはない」と言ってくれました。これは本当に嬉しいことですよね。
でも、実は全ての外国人が日本のおもてなしを歓迎しているわけではないようです。
「日本のサービスは完璧すぎて疲れる」「常に見られているような気がして、リラックスできない」という声もあります。
例えば、フランスでは「ゆっくり過ごしてほしい」というサインとして、あえて頻繁に声をかけない「そっとしておく」おもてなしを好む文化があります。これも一つのおもてなしの形なんですね。
文化の違いを理解した新しいおもてなし
これからの日本は、従来の画一的なおもてなしから、より柔軟で個別対応可能なサービスへの進化が必要かもしれません。
価格帯によって変わる顧客の期待値と、文化的背景によって変わるサービスの受け取り方。この両方を理解した上で、「真の価値提供」を追求することが大切なんです。
例えば、外国人のお客さんには程よい距離感を保ちつつサービスを提供したり、日本人のお客さんには従来通りの丁寧な接客をしたり。相手に応じて柔軟に対応できるのが、本当のプロフェッショナルなのかもしれませんね。
真のおもてなしとは何か?
結局のところ、真のおもてなしとは何なのでしょうか?
自分は、「相手を理解し、その人にとって本当に価値のあるサービスを提供すること」だと思います。
それは価格や国籍を超えた、普遍的な原則なんじゃないでしょうか。
安い店でも高い店でも、日本人でも外国人でも、相手の立場に立って考え、その人が本当に求めているものを提供する。それができれば、必ずお互いに満足できる関係が築けるはずです。
最後に
インバウンドブームは、日本のサービス業界にとって自らのおもてなしを客観視し、真の国際競争力を身につける絶好の機会だと思います。
「お客様は神様」という一方的な関係から、「お客様とのパートナーシップ」へ。そして、画一的なサービスから、一人ひとりに寄り添ったサービスへ。
これが、これからの時代に求められる「新しいおもてなし」なのかもしれませんね。
今日の一曲
ペライアのシューマンコンチェルトです。
名演ですね、これは。






