マイクロ法人は意外とよくないわけ
近年注目を集めているマイクロ法人化ですが、実際にはさまざまな課題や落とし穴が存在します。節税面での情報は大変よくみかけますが、反対のデメリットについての解説などは意外とないのでここで自分の体験をもとに実践的な視点から解説していきます。
経営面でのデメリット
1. 理想と現実のギャップがある
まずマイクロ法人を成功させるためには、以下の条件を同時に満たす必要があります:
- 法人への安定的な収入確保
- 役員報酬の抑制による社会保険料削減
- 固定費の最小化
しかし、フリーランス市場での継続的な取引確保は容易ではなく、これらの条件を長期的に維持することは極めて困難です。ここが重要です。
2. ビジネス拡大の制約
- 新規案件での法人契約要請への対応困難
- 法人での利益確保と節税目的との矛盾
- 事業拡大機会の逸失リスク
ここで矛盾するのが事業は拡大したいが法人へ利益を残すわけにいかないので
個人契約にこだわる必要があります。
3. 管理コストの増大
- 個人・法人の経費区分の複雑化
- 会計処理の煩雑化
- 事務作業負担の増加
法人と個人にするともちろん経費(固定費)も増えますし、それ以上に仕分けが
煩雑になります。経理の作業がだいぶ複雑になるのでここでかなりの負担になります。
自分もこれが結構ストレスになりました。
つづいて税金面を見ていきたいと思います。
税金面でのデメリット
1. 所得計算の複雑化
- 個人・法人での別々の所得計算が必要
- 法人赤字と個人所得の相殺不可
- 節税戦略の複雑化
法人と個人で別々の節税が必要になってきます。
2. 税率による不利益
- 法人税は実効税率約30%で固定
- 個人所得税率が30%未満の場合、法人化がかえって不利に
- 利益調整の難しさ
3. 経費処理のリスク
- 法人利益の調整困難
- 個人経費の法人計上リスク
- 不適切な経費計上による税務リスク
4. インボイス制度への対応
- 個人・法人双方での消費税申告必要
- 消費税納税額の予測困難
- 税理士との密な連携が必須
インボイスが本当に厄介です。この制度誰が決めたんでしょう。
取引先からインボイスはいわれるでしょうし、利益の調整をしても
最終的な消費税の金額が想定外ということもままあります。
赤字でも消費税は支払わないとならないです。
ここらへんになってくるともう自分だけではどうにもこうにも
なりません。
最後に社会保険です。
削減効果の裏側にある影響
法人にすると社会保険の支払いにあたまを悩ませると思います。
どうにか減らしたいと誰しもが思うはずです。
役員報酬を減らして、社会保険を最低金額で抑えるというの
は以前から言われてきたことですが、今の世の中、それに伴う
様々な影響があるのは計り知れないとはずです。
単純に役員報酬を下げて、社会保険料を下げると、厚生年金(将来もらえる年金)
の受給額が少なくなります。
30代40代のころはまだ年金なんてさほど気にしてないので、そこまで
切実ではないでしょうが、50超えるとだんだんとそれがボディブローの
ように効いてきます。年金のはがきなんかもだいたい見向きもしなっかたのに
急にいくらもらえるのかとか、いつからなのかというのが身近な話題にも
なってくるので厚生年金と国民年金の金額に違いにも驚くはずです。
実際のところ自分もそうです。
マイクロ法人化を検討する際のポイントをまとめてみました。
慎重に検討すべき事項
- 長期的な収入の安定性
- 管理コストと節税効果のバランス
- 事業拡大の可能性との整合性
- 社会保障制度活用の方針
成功のための前提条件
- 税理士との綿密な連携体制
- 適切な経理処理体制の構築
- 長期的な事業計画の策定
マイクロ法人化は、一見魅力的な選択肢に見えますが、実際には多くの課題とリスクを伴います。これらのデメリットを十分に理解した上で、自分自身の状況に適した判断を行うことが大切になってきます。





